GWの最中の「こどもの日」の5月5日と6日の2日間、日独小児靴学研究会の小児靴学プライマリー研修のために、全国から集まった精鋭のメンバーが、第1期生として共に学び合いました。
共同代表の伊藤笑子の開会宣言のあと、受講生の皆さんより、自己紹介とこの研修会で何を学び、どう活かしたいか?の所信表明1分間スピーチでスタート。
1限目は、整形外科靴マイスター・ベーレ ルッツより
・基礎解剖学
1.下肢の形態と構造 I (骨格・筋肉・関節)
小児の足についてを知る前に、成人の足部について、解剖学の基礎を踏まえた講義でした。
ランチョンセミナーは、日独通訳者・ベーレ 操より
・ドイツ小児靴教育⽂化II
⾜靴を囲む職業連携とその歴史と最新独事情・保険制度の変遷を検証しながら⼩児⾜靴教育事情の変遷を紐解くお話でした。
2限目は、マスターシューアドバイザー・伊藤 笑子より
・小児靴学とは
小児靴学の目的と意義
・小児靴の知識
メーカーや小売店、子どもの足と靴にまつわる書籍、インターネット上で示されている小児靴の分類や役割、よい靴の定義などが、本当に正しいのか?表記として適切なのか?の検証から始まり、各自で根拠を踏まえて導き出す、という特殊な手法の講義でした。
3限目は、整形外科医・塩之谷 香より
・小児の成長と発達
・基礎解剖学
2.下肢の形態と構造 I (血管・神経・皮膚・爪)
今回、この単元を担当していただくにあたり、小児の発達学を、特に骨と神経系について、もう一度、勉強し直して下さり、知識レベルの様々な受講者の誰もが解りやすく、かつ、とても興味深い講義でした。
4限目は、整形外科医・塩之谷 香をはじめ、講師全員により、
・小児の身体・足部・靴のチェック法
整形外科医、整形外科靴マイスター、シューアドバイザーのそれぞれの立場から、小児の足部とアライメントの視診・触診・靴のチェックのデモが行われました。受講者の皆さんが一番、目が輝いた時間でした。
1日目の研修終了後には、懇親会が開催され、各々の立場の受講者の皆さんが、意見と知識を埋め合い、子どもの足と靴についての熱い意見交換があちらこちらで行われていました。
研究会では、講師と受講生という関係だけではなく、小児靴学を体系的に学び直すことで、もう一度、各々の知識の棚卸しをしていただき、講義と実技に加えて、セッションごとに討議する双方向型の研修で、共に精査し、小児の足と靴を検討していきます。
子どもの足と靴に関して、今まで、さまざまな定義が散見し、また、子どもの足の判断や発達を促すための方法ついても諸説があり、必ずしも正しいとは言えない内容が書籍になっていたり、講演されたりしています。
大人の足に対する診断や治療法とは違い、未完成な子どもの足について、正しい見識や靴のガイドラインは確立されておらず、医療・保育・教育現場においても、さまざまな方針が散見されているのが実情です。
近年、各民間団体の「足育」「靴育」の啓発活動が始まり、「子どもの足と靴は大切である」という概念は育ちつつありますが、実際には、現場では、指導者側が体系的に学ぶシステムがないままアドバイスが行われています。
日独小児靴学研究会では、これから1年かけて、専門的な研修に加えて、根拠と検証の上での「子どもの足と靴の評価」と正しい啓発の方法を受講者の皆さんと構築し、1年後に公開できますよう、進めていきます。
子どもの足の成長と発達と子ども靴についての専門的見地を持ち合わせた日独小児靴学研究会正会員の誕生にご期待下さい。
日独小児靴学研究会
共同代表 伊藤笑子
「医療者のための、日独小児靴学・単日聴講コース」は、受付継続中です。
◉日程:2016年度 開催地:東京
基礎1前半: 5月 5日(木/祝)(終了)
基礎2後半: 8月11日(木/祝)大井町きゅりあん
基礎3後半:11月23日(水/祝)大井町きゅりあん
基礎4後半:翌2月11日(土/祝)東京
※欠席の分の振替はありません。
◉受講料等:
入会金 20,000円
年会費(準会員) 10,000円
受講料 48,600円×参加日(税込/前納)
■会員要項( PDFファイルが開きます)
■プライマリー・単日聴講コース お申込みフォーム
■ プライマリー詳細プログラム(2016.05.02改訂版)( PDFファイルが開きます)
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