日独小児靴学研究会 第1期プライマリー研修は、昨年5月5日の子どもの日にスタートしましたが、第2期プライマリー研修は、少し早く4月23日からスタートし、2日間にわたる基礎1の研修が無事終了しました!
今期の開催地は京都で、研修場所の京都府立総合社会福祉会館(ハートピア京都)は、京都駅から地下鉄7分で到着する丸太町駅と直結していますので、傘いらずのアクセスです。
そして、今期も全国から….だけではなく、なんと!シンガポールからの参加者もあり、25名が集まりました。
受講者の内訳は、看護師7名、理学療法士4名、保健師1名、助産師1名、鍼灸師資1名、義肢装具士1名、美容師1名、フットケア5名、整形靴技術者4名、シューフィッター3名、靴メーカーおよびシューズデザイナー3名、靴製作者5名、靴店2名、靴修理店1名という多様かつ錚々たるメンバーでスタートが切れますことを大変うれしく思います。同時に指導する講師陣も身が引き締まる想いです。
(看護師&理学療法士、助産師&鍼灸師などダブル・トリプルライセンスの方も多くいらっしゃるため延べ人数として記載)
まずは、共同代表の塩之谷 香先生の開会の挨拶から、伊藤笑子のオリエンテーションのあと、自己紹介とこの研修会で何を学び、どう活かしたいか?の参加表明1分間スピーチでスタート。
1限目は、整形外科靴マイスター・ベーレ ルッツより「下肢の形態と構造 I (骨格・筋肉・関節)」
小児の足について抑えておくべきところと、成人の足部について、解剖学の基礎を踏まえた講義でした。解剖学的知識のある医療者であっても、足部に特化した機能についての知識は充分ではないことも多く、受講者からも「大変わかりやすく、実践にすぐに活かせる講義であった」という感想が多く寄せられました。
ランチョンセミナーは、日独通訳者である、ベーレ操氏による「ドイツ小児靴教育文化III」
小児の⾜と靴を囲むドイツの職業連携とその歴史を踏まえ、ドイツの文化、保険制度の変遷について踏まえた、最新の⼩児の⾜靴教育事情を紐解くお話でした。
2限目は、整形外科医 塩之谷 香先生による「下肢の形態と構造 II」と「小児の身体と発達I,足部の成長I,歩行と運動 I」
医療従事者であっても「小児」についてはきちんと講義を受けられている方は少ないため、小児の発達について、特に骨と神経系を中心に、また運動発達についても知識レベルの様々な受講者の誰もが解りやすく、かつ、とても興味深い講義でした。
3限目は、マスターシューアドバイザー伊藤笑子による「小児靴学とは・小児靴学の目的と意義」と「小児靴の役割・構造・分類」
小児靴学の目的と意義を踏まえて、客観的な評価や判断をしていくために必要なスキルは一体、どのようなものか ? また、メーカーや小売店、子どもの足と靴にまつわる書籍、インターネット上で示されている小児靴の分類や役割、よい靴の定義などが本当に正しいか?表記として適切か?根拠を踏まえて導き出すという、JAGSSオリジナル唯一無二の「小児靴」の講義です。また、講義だけではなく、実際に市場で売られている子供靴について、機能を考えて分類するという演習も行いました。
4限目は、「総合的な観察と分析」としてマイスターによる「靴警察」が発動。受講者自身の靴のチェックをしました。
さして、最後は恒例の「質疑応答・ディスカッション」
担当講師全員を前に、受講者が質疑応答や自身の見解、経験からくる疑問などを双方向でシェアし、整理するアクティブラーニング取り入れています。
この時間の充実感は他では得られないものがあり、1期生からもとても好評でした。
このように第1期の講義からさらに進化した講義内容で進行していきました。
そして、毎回、1日目の研修終了時には、講師陣と受講者との懇親会を行って、他職種交流していただいています。
初回でもありましたが、ほぼ全員参加で予約した個室に入りきらず、やむなく2つのグループに分かれてスタートしましたが、途中からは入れ替わり、すっかり打ち解けていろんな話で盛り上がりました。
近年、啓発活動が盛んになり「子どもの足と靴は大切である」ということが知られつつありますが、啓発者や指導者が、体系的に学ぶ小児の足と靴の教育システムは他ではありません。そのため、大人の足に対する診断や治療法とは違い、未完成な子どもの足について、正しい見識や靴評価のガイドラインなどは確立されておらず、医療・保健・保育・教育・販売の各現場においても、さまざまな方針で行われているのが実情です。
日独小児靴学研究会では、小児の足と靴について体系的に学ぶことで、さらにスキルアップしていただき、各々の職域で子ども時代からの健康な身体づくりの啓発にお役立ていただけることを願っています。
これから、2月まで講師一同も全力で頑張ります。
日独小児靴学研究会
共同代表 伊藤笑子
日独小児靴学研究会の《小児靴学・プライマリー全日程コース》は、専門者としての先人たちの30年の投資と継続と実績を元にした「一年で基礎を体系的に学べるプログラム」にて、しっかりと体系立てて修得していただけるよう組み立てています。足部解剖学の基礎的な知識だけでなく、実際に子どもたちにも参加してもらう実技演習があります。大人の足の評価や対処とは違う、小児の足に特化したプログラムです。子どもの足と靴に関するセミナーは、単発的なのものや医療監修されていない一般向けの入門編的なものは散見されますが、専門者向けの科学的検証に基づいたコース立ての研修は、日本にはありません。
プライマリー全日程参加および研究発表にて修了認定された方には、修了認定書をお渡しします。
また正会員の資格を取得の後、【アドバンス】とブラッシュアップ研修に参加可能となります。
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