20余年の想いと構想を「日独小児靴学研究会」という形でスタートし、昨年5月より小児靴学プライマリー研修を始め、今期は第二期となります。
今期も多くの医療資格者と、足・靴・歩行にかかわる非医療職の方々のご参加をいただいています。
子どもの健康には、様々な観点からの〝健康観〟があり、小児学、発達学、整形外科学、心理学、運動学、体育学、スポーツ学から口腔学、保健学まで、あらゆるジャンルで示されていて、医療、非医療にかかわらず、その指導法は、さまざまな職域にまたがっています。
子どもの体づくりを考える時、運動器の発達はとても重要ですが、運動の際に使用し、身体にも影響を及ぼす「靴」というツールについては、主観で捉えられることも多く、すなわち、保護者や指導者各々の知識レベルや価値観で位置づけられてしまいます。
そこに対して「小児靴学」として構築し示す理由は、
●健康を支えるために、足部機能の健全な発達が重要なこと。
●靴は成長に合わせて適切なものを選択し、正しく履くこと。
●成長発達に合わせた身体の使い方や適切な運動をすること。
….というつながりがあることを広く知ってもらい、様々な職域でその知識を活用し、子どもたちを障害や怪我から救い、健康を支えていただきたいからです。
・日本の医療現場において保存的治療にも使われる「靴医学」
・ドイツ子供予防検査システムとして機能している「整形靴技術」
・小児の足部形態と靴の適合について研究した「靴人間科学」
この三つの観点からまとめられた「小児靴学」は、コアな分野かもしれませんが、今までこの分野においての専門者の存在はもとより、専門教育すらありませんでした。
靴に対する知識と価値がきちんと周知されてこなかったこと、そこを指導する方法が整備されていなかったことが、小児の足と靴について、今尚、一般的な常識になり得ていない原因だと考えます。
「子ども靴」が嗜好品というポジションである以上、デザインや好み、土地柄や生活環境に左右され、さらに「価格」というものが絡んできますので、日本国民オール納得するモノづくりには難しさがあります。
子どもの足の成長を加味した機能的に申し分のない「良い靴」が制作されても、それが広く流通し、普及するためには、まずは、その必要性や役割がきちんと理解されることが必要です。
〝そのために、子どもが使用する靴に必要な機能とはどういうものか?を明確にし、その根拠も示し、多くの人にわかりやすく、納得できる靴の定義を作ります!〟
と宣言致しました。そして、宣言通り、策定しました!
ただいま、公開できるよう進めています。
皆さまのご関心とご賛同と応援をいただけますよう、しっかり進めていきたいと思います。
日独小児靴学研究会
共同代表 伊藤笑子
日独小児靴学研究会の《小児靴学・プライマリー全日程コース》は、専門者としての先人たちの30年の投資と継続と実績を元にした「一年で基礎を体系的に学べるプログラム」にて、しっかり修得していただけるよう組み立てています。足部解剖学の基礎的な知識だけでなく、実際に子どもたちにも参加してもらう実技演習があります。大人の足の評価や対処とは違う難しさがある、小児に特化したプログラムです。子どもの足と靴に関するセミナーは、単発的なのものや医療監修されていない一般向けの入門編的なものは散見されますが、専門者向けの科学的検証に基づいたコース立て研修は、日本にはありません。
プライマリー全日程参加および研究発表にて修了認定された方には、修了認定書をお渡しします。
また正会員の資格を取得の後、【アドバンス】とブラッシュアップ研修に参加可能となります。
【トピックス】
研修期間中の11月末〜12月初旬には、ドイツ研修も企画しています。通常では見学できない障害児幼稚園施設、OSM子ども靴専門店の見学とセミナー、こ の時期のドイツ必見のデュッセルドルフとブレーメンのクリスマスマルクト観光も入った豪華研修です。プライマリー受講者には割引特典も検討中。乞うご期待!