Q2. フットケアサロンで施術をしています。子どもの足の相談もよく受けるのですが、靴やインソールを販売しているわけではありません。小児靴学セミナーを受けるメリットはありますか?
A2. フットケアサロンでは、足のケアだけではく、足のさまざまなお悩みについてのご相談を受けていらっしゃると思いますが、足の悩みと靴は、切っても切れない関係があります。
しかし、足の悩みに繋がる足部の変形やトラブルには、乳幼児期からの成長過程における足部アーチ機能の形成不全や、靴の間違った選び方、履き方が原因であることも少なくありません。
フットケアによって、一時的に状態がよくなっても、間違った靴選びや履き方で、また悪くしてしまう…という悪循環の繰り返しでは、お客様のお悩みに対して、根本的な解決にはなり得ないと思います。
そして、その間違った靴選びや履き方は、いつ、どのようにして、身についたか?を考えると、それは、子ども時代からの「足と靴への無関心さ」と「知識の無さ」からの長い年月の積み重ねであることが多いのです。
お客様は足の状態が悪くなって初めて、フットケアにたどり着かれ「フットケアセラピストは、足の悩みの解決策をいろいろ知っている」と信じて施術を任せているからこそ、あなたに靴のことや自分の二の舞にはさせたくない子どもの足のことをご相談になられるのではないでしょうか?
では、あなたの「子どもの足の知識」は、どこから得たものですか?
そのアドバイスは正しいと言えますか?
成人の足のことは勉強され、施術経験も充分おありだと思いますが、成長過程の子どもの足と完成した成人の足は、見るべきところもアプローチも違う部分があります。
また、成人の足について観察し、ケアとアドバイスを提供するとき、足の形成期である小児の足と靴の相関性を知った上で、トラブルの原因や対処法、予防の手だてをアドバイスするというのが、大変有効であると考えます。
足の最前線にいるフットケアに携わる人々にも、子ども時代からの足と靴の関係について、正しい知識を習得した上で、足の健康寿命を伸ばすためのフットケアとアドバイスをしていただきたいと願っております。
小児靴学のプライマリーの[足部解剖] [分析評価] [足部機能] [保健学][小児靴]の単元では、成人よりも難しい「小児の足部変形と観察・分析法」を修得し、「小児の様々な問題による立位と歩行」を正しく理解できるように、以下のような講義と実技を伴った実践的な研修を行います。
[足部解剖]
骨・靭帯・筋肉・関節
様々な足部変形と観察・分析
[分析評価]
採型採寸技術と観察・初期分析
採型採寸技術と観察・分析・評価
関節とアーチ機能・足部チェック手技
[足部機能]
様々な問題による立位と歩行
代表的小児足部変形の分析・評価
非医療現場での総合的判断
[保健学]
小児の身体と発達、足部の成長、歩行と運動
※講義には座学と演習があります。
また、[整形外科][小児靴] などと連動し、体系的に学べるプログラムになっています。
小児、成人の区別なく学び、真の専門者になっていただくために、ぜひ小児の足と靴の適合についての研修にご参加いただければと思います。