モリサキ靴工房
靴づくり教室主宰
森崎　恵さん（東京都）

靴を作っているのに、計測値だけでは足に合わせた靴を作る事には限界があり、これは、足の構造や歩行をじっくり学ぶ必要性があるなと、感じた事がきっかけでした。（何処かで足の機能学や構造学を学べる場所を探していた事が始まりでした）　子どもの靴製作においても、13㎝以上の子ども靴の木型に疑問がありながらも、歩き出してからの成長が早い子どもの靴を注文される事も殆ど無かったので、特に何も着手していない状況でした。

日独小児靴学研究会のプライマリーを受講することを決め、最初の講義から今までの固定概念が一新する内容で、名古屋まで時間をかけて行く事が大変だと思った事は一度もなく、今回はどんな講義が聞けるのか、毎回楽しみでした。レポートの提出は大変でしたが、レポートをまとめる事によって講義内容が自分の知識として整理されて行っていたことは大変価値があったと感じています。研究発表においては、周りの協力がなくては無理でしたが、保育園にアポイントをとって足の計測に行かせて頂き、実際に子どもの足を計測できた事で、靴と子どもの足の問題点の発見が多く、これもまた、研究発表と言う目的がなかったら、わざわざ苦労して子どもの足の計測をしようと考えなかったと思います。
成長して大人の足になった時に足のトラブルがない様にするには子どもの時からの正しい靴の選択、履き方に他ならないと強く感じました。

JAGSSの靴の適合評価の講義や実技は、子ども靴を主としたものですが、大人の靴でも同じ事が言えます。しっかりと固定できる靴は、持つと重さを感じますが、履くと軽く感じ安定感がありますが、簡単に脱ぎ履き出来る靴を好む人が多いのが現状です。簡単な作りの靴は、長時間使用するには適さないですよ、と説明しても日常履きとして長時間使用されていたり、靴の履き方にしても、大人になってからの習慣は中々改善せず、脱ぎ履きする度にひもを解いて結び直して履くことを何度お伝えしても改善してもらえないのは、子どもの頃からの習慣が変えられるほど、足に及ぼす影響をきちんと説明できていない点もあるかもしれないと考える様になりました。今後も講習を振り返りながら、実践に繋げたいです。

JAGSSの同期やメンバーとの出会いより、Facebookなどから近況も知る事が出来て、皆さんの活躍がいい刺激となって、自分の仕事の励みになっています。